
私が乗っている車は、4年ほど前におじいちゃんから譲り受けたものです。
車の中には譲り受けた当初のまま、おじいちゃんの私物が入っており、
ボディにもおじいちゃんが付けたであろう傷が入っています。
その車を運転するのが好きだったおじいちゃんは、私と顔を合わせるたびに、
「あの車は軽だけどよく走るだろう、走り心地はいいかね?」
と、自慢げに話していたものです。
そんなおじいちゃんを昨年亡くし、ちょっとずつ車の中を整理しつつ年季の入ったボディを眺め、
この機会に新車に変えるのもいいかも、と考えていたときのこと。
運転中、後部から軽い衝撃を感じ、振り返ると車が1台。
そうです、接触事故に遭ってしまったのです。
幸い、お相手にも私にも怪我はなく、本当に軽い事故で済みました。
そして、お相手の方と話をしていくうち、
なんとその方はおじいちゃんの古い友人であることが判明したのです。
「そうか、邦さん(祖父の愛称)は亡くなったのか」
おじいちゃんが亡くなったことを伝えると、きっとこれは邦さんが引き寄せてくれたご縁、と、
おじいちゃんの思い出話をいろいろと聞かせてくれました。
そして数日後。
修理に出した車は、ピカピカの新車のようになって帰ってきました。
まだまだこの車を走らせてくれよ、と言われている気がして
もうしばらくはおじいちゃんの車に乗り続けようと思った出来事でした。
東予葬祭 伊藤(沙)