お盆とは?
「盆踊り」「お盆休み」など、我々の生活にすっかり浸透している「お盆」ですが、「建国記念の日」「子供の日」「天皇誕生日」などに比べ、暦の中でも一風変わったネーミングだと感じた事はありませんか?他の国民の休日は字面からいわれも想像できますが、「お盆」だけはピンとこない方も多いのではないでしょうか。これはお盆の語源が、仏教用語の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」に起因している事が理由だと言われています。盂蘭盆会とは、盂蘭盆経と呼ばれる経典がベースの仏教行事の一つで、餓鬼道に落ちた魂を供養する為に、お坊さんにも食べ物を施した事が始まりのようです。これは本来、太陰暦(旧暦)の7月13日から16日にかけて行われましたが、明治時代の改暦に伴い、現在の8月13日から16日へと移り変わりました。(地域によっては旧暦のままの所もあります)ちなみに、正月を含むこの期間を休暇とする風習は、江戸時代を中心に行われた「藪入り」という住み込みの奉公人が、休暇を与えられる風習からきているようです。この風習は、第二次大戦後の労働基準法改正に伴って「正月休み」「盆休み」へ統一され、現在の形へと姿を変えました。
お盆の歴史
明確な起源ははっきりとしませんが、7世紀ごろ日本へ「盂蘭盆経」が伝わり、8世紀ごろには日本の先祖崇拝と結びついて、貴族の間で「お盆」という概念が生まれました。(日本には古来より夏ごろに先祖供養を行う風習があったようです。)江戸時代に「寺請け制度」(キリスト教の拡大を防ぐために導入された、すべての人をいずれかの寺院の檀家とする制度。転居や結婚の際には、檀那寺から発行される証文が必要だった)が導入されると同時に、庶民の間でも盛んに先祖供養が行われるようになった。という説が有力のようで、現在では全国各地で様々な特色を見せる行事になっており、いくつか例を挙げると、山形県では精霊馬の代わりに、故人にゆかりのあった車のおもちゃ(タクシーやバスなど)を吊るす習慣があるようです。近隣では徳島県で行われる「阿波踊り」が有名です。日本三大盆踊りにも数えられる阿波踊りの起源も、やはり盂蘭盆会の期間に行われる盆踊りがベースという説が有力なようです。
お盆の過ごし方
7月31日:盆提灯を吊り、霊を迎える準備をする
8月1日:地獄の窯の蓋が開くと言われており、この日から水棚(施餓鬼棚)を設置する
8月13日:夕方になったら迎え火を焚き、故人の霊を迎える
8月15日:迎え火と同じく、送り火を焚き、故人を見送る
※ スケジュールは、おおよそこのような流れになります。
水棚にはお寺で頂いた施餓鬼旗を垂らし、お盆終了後に送り火と一緒に燃やしたり、お寺へ納めたりします。
何気なく過ごしがちなお盆ですが、その成り立ちや地域の習慣に目を向けてみるのも、面白いのかもしれませんね。
※ あくまで一般的なものです。詳細はお付き合いのあるお寺へご相談下さい。