納棺のときに入れる副葬品についてお話します。
副葬品とは、埋葬や納棺の時に納める品物のことをいい、厄災など罪・穢れを祓う祭具や来世での生活用品、故人生前の愛用品がこれにあたります。
品物の種類や量は、その時代や地域によって多様化し、古来から世界共通の風習となっています。
日本でいうと例えば弥生時代、古墳には埋葬された人の性別や地位によって様々な土器や装飾具、鏡、武器などが副葬されていますよね。
戦国時代末期から江戸時代には、真田幸村の家紋の元ネタでもあり三途の川の渡し賃としても一般的な「六文銭(六道銭)」を副葬することが盛んになります。
最近では火葬の関係上、貨幣は紙でつくられたものになり棺に納めていますが、浄土真宗では死者は阿弥陀仏に導かれすぐに極楽浄土に入るという教えのため使いません。
さて、現在ではどんなものが副葬品として入れられているのでしょうか。
■入れられるもの・・・可燃物で火葬に支障がなく、お骨が綺麗に残るもの
・気に入っていた洋服や着物といった布製のもの
・手紙、寄せ書きや似顔絵、ペットの写真など紙のもの
・お菓子などの食べ物、お酒やジュースなどの飲み物(缶や瓶は紙コップに入替えます)
・たばこ、ぬいぐるみなど故人の愛用品
■入れられないもの・・・不燃物、火葬炉の故障や収骨の妨げになるもの
・時計など金属製のもの、メガネなどのガラス製品
・スイカなど水分の多い大きな果物、分厚い本など大量の灰になるもの
・燃えると公害になる恐れのあるもの(ビニールやプラスチック、発砲スチロール等)
・現金(硬貨は不燃物、現金を燃やすのは違法です)
・ペースメーカー(火葬中破裂するので必ず申告してください)
布製のものでもファスナー等の金具が大きかったり、複数付いているものは入れられませんし、ペットの写真はOKですが、生きている人間の写真は「連れていかれる」という俗説があるためお勧めしません。
スイカやメロンはそのままではなく小分けにすると入れられます。
このほか、わからない時は担当スタッフや納棺師に確認してもらうといいでしょう。