香典返しとは
香典返しとは、お悔やみに来られた方が故人や遺族に対して弔意を込めてお渡しする香典に対して、感謝の気持ちを表す意味でお渡しする物をさします。
御通夜や御葬儀に参列頂いた方全員に参列して下さった事に対する感謝の意味を込め、お礼状を添えてお渡しするのが「粗供養品や会葬御礼」です。
あくまで参列頂いた御礼ですので、「御香典を頂いた」・「頂いていない」に関わらず、参列頂いた全ての方にお渡しします。
それに対して、頂いた香典に対するお返しが「香典返し」です。
香典返しの金額
香典返しを選ぶ金額は「半返し」と呼ばれ、頂いた香典金額の二分の一を目安とされる事が多く、地域性やお付き合いの度合い、お返しする先との関係性に応じては三分の一程度の範囲で選ばれる事が多いようです。
香典返しの種類
香典返しの種類として、悲しみや不幸が後に残らないようにという意味合いから「消えもの」である飲食物や、日常で使う消耗品を選ぶのが一般的です。
品物として選ばれることが多いのは、お茶・コーヒー・菓子・海苔・タオルや洗剤などがあげられます。
頂いた香典金額に応じて、金額別のカタログを送り、相手方の好きな物をカタログの中から注文して頂くカタログギフト又、実用性を考えた商品券を返すという場合がありますが、商品やカタログに比べてお返しした金額そのものが相手方に伝わってしまうので、関係性を考慮した上での手配が必要といえるでしょう。
友人や勤務先等、複数人でまとめた香典を受け取る事があります。
そのような場合のお返しは、代表者や会社宛てに菓子やコーヒーセット等、皆で分けられる品物や1人辺りの金額にもよりますが、粗供養品のみを人数分お返しするのも良いでしょう。
香典返しの手配や流れ
香典返しの準備では、事前に返す先をリストアップします。御葬儀の参列者が記載した芳名帳を使って宛名や住所を確認し、カタログから香典金額にみあった商品を選択します。
「無事に法要や霊祭が終わりました」という通知とお礼を兼ねた文章(挨拶状)を用意し、商品とあわせてお返しします。
本来であれば、ご挨拶に伺って品物を直接渡すのが礼儀ですが、返す先が遠方の方や時間的な制約もあり、一軒ずつ伺うのが難しい現実があります。やはり、一般的には送る場合が多いでしょう。
香典返しをするタイミング
香典返しをするタイミングは仏式であれば、逝去日から四十九日目以降、法要後に届く様に手配します。
商品の手配や配送の関係上、お届けしたい日から逆算して10日~14日前までには、注文を済ませておくと良いでしょう。
新たな香典返しの方法
ここまでご説明させて頂いたお返しの仕方ではお返し先の住所確認とリスト作成、商品の選択に悩み、送料の負担もかかります。
御葬儀後の慌ただしい中、遺族にかかる負担が大きかったのも事実です。
そういった負担を軽減できる方法として、近年では都心部から全国的に広まりつつあるのが御葬儀当日に頂いた香典金額に応じて、仏式でいう本来は四十九日法要後にお返しする満中陰志をその場でお渡しする方法です。
専用の芳名帳(芳名カード)に金額欄のチェック項目を設け、氏名住所にあわせて記入して頂き金額毎の商品をお渡しします。
この方法は御葬儀当日に香典返しをお渡しするので、返し漏れが防げる事やリスト作成、送料が不要になるという今までのような負担が軽減される、時代の流れに合った合理的な方法です。
時代によって返す物や返し方が移り変わろうとも、従来の人を想う気持ちと頂いた礼には「礼を持って礼で返す」という精神が受け継がれているのではないでしょうか。